2025年07月10日

    女性の健康課題

    女性は、年齢によって女性ホルモンの平均的分泌量が変化します。女性ホルモンは、体の中で様々な働きをしているため、この変動により、体や心にも変化が起こります。そのため、年齢によって注意したい症状や病気も異なってきます。

    女性ホルモンによる体や心の変化を知り、上手にセルフケアをしていきましょう。

    関連リンク

    女性ホルモンとライフステージ

    女性のライフステージと健康課題

    思春期

    8、9歳から17、18歳頃までの間をさし、初潮を経て月経周期がほぼ順調になるまでの期間を言います。

    女性ホルモン(卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン))の影響で、女性特有の体つきに変化していきます。思春期は、急速にこころと体が成長するため不安定になりやすい時期です。周りの目が気になり、ダイエットへの興味が高まったり、劣等感を感じやすくなることもあります。 

    思春期の健康課題
    • 月経トラブル(貧血、月経痛、月経不順、PMS(月経前症候群))
    • 拒食や過食

    拒食等は、いのちに関わることもあるため、保護者だけではなく、学校など周囲のサポートや、専門医療機関への受診が必要となる場合もあります。

     成熟期

    18歳頃からの、女性が性的に最も成熟する時期を指します。前期は18~37歳、後期は37~45歳と区分されており、前期は一生のうちで女性ホルモンの分泌が安定して、月経も順調で、妊娠や出産に適した時期とされています。後期では、女性ホルモンは少しずつ分泌量が低下し、体のトラブルが増えていきます。

    仕事やプライベートなど多忙で生活習慣が不規則になりやすいことに加え、女性特有の疾患リスクも多い時期です。

    成熟期の健康課題
    • 月経トラブル(PMS(月経前症候群)、不正出血、月経不順、貧血 等)
    • 不妊、不育症
    • 性感染症
    • 悪性新生物(子宮頸がん、乳がん 等)
    関連リンク

    プレコンセプションケアについて知ろう

    がん検診を受診しよう

    更年期

    45歳頃から、少しずつ女性ホルモンの分泌量が減り、閉経を迎えます。女性ホルモンの分泌が乱れることで、月経周期が乱れ、ほてりやのぼせ、発汗などの「更年期障害」の症状が現れる人もいます。

    この時期は、プライベートでも子育てが一段落し家族構成が変化したり、近しい人の介護をすることになったり環境が変わり、こころも不安定になりやすい時期です。

    更年期の健康課題
    • 更年期障害
    更年期障害の主な症状
    頭痛、めまい、不眠、不安感、イライラ感、うつ、ほてり、動悸、息切れ、発汗、むくみ 等
    • 骨粗しょう症
    • 悪性新生物(乳がん・子宮体がん 等)
    関連リンク

    骨粗しょう症検診を受診しよう

    生活習慣病予防のため特定健康診査を受診しよう

    老年期

    更年期を過ぎたおおむね60歳前後からを言います。卵胞ホルモンの分泌が少なくなり、更年期に比べて体調が安定する方が多い傾向です。ただし、閉経以降は生活習慣病のリスクが高まったり、卵胞ホルモンの低下によりうつ症状が見られたりすることがあります。

    老年期の健康課題
    • 骨粗しょう症、骨折
    • うつ病
    • 生活習慣病
    • 悪性新生物(乳がん、大腸がん、胃がん、肺がん、子宮体がん 等)
    • フレイル(介護が必要となる一歩手前の、加齢に伴い筋力や認知機能など心身の活力が低下した虚弱状態)
    関連リンク

    こころの体温計でストレスチェックをしよう