2022年09月29日

    みなさんは、慢性腎臓病(CKD)を知っていますか。

    普段あまり耳にすることは少ないかもしれませんが、腎臓の働きが慢性的に低下していく病気を慢性腎臓病(CKD)といいます。患者数は、1,330万人(成人のおよそ8人に1人)と推計されています。慢性腎臓病(CKD)は私たちの生活をおびやかす新たな「国民病」といわれています。 

    エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018(日本腎臓学会)より

    慢性腎臓病(CKD)とは

    次のいずれか、または両方が3か月以上持続する場合をいいます。

    1. 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか(特に尿蛋白の存在が重要)
    2. 糸球体ろ過量糸球体ろ過量(GFR)が、60ml/min/1.73平方メートル未満 

    糸球体ろ過量(GFR)とは、腎臓の機能を示す値で、血清クレアチニンの検査値や年齢、性別から算出します。羽島市の特定健康診査およびぎふ・すこやか健診では、健診項目に含まれています。

    慢性腎臓病(CKD)の症状

    初期には自覚症状がほとんどありません。進行すると夜間の尿回数が増える、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が出てきます。これらの症状が現れたときには、すでに慢性腎臓病(CKD)がかなり進行している場合が多いのが実情です。そのため、自覚症状が現れる前に早期に発見することが重要です。腎臓は一度悪くなってしまうと、自然に治ることはほとんどありません。慢性腎臓病(CKD)を放置しておくと、人工透析や腎移植が必要な末期腎不全になるだけでなく、心筋梗塞などの心血管疾患や脳血管疾患の発症リスクが高まることがわかっています。

    こんな人は要注意

    生活習慣病との関わりが深く、糖尿病や高血圧は重大な危険因子です。他にも、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、喫煙との関係が深いのが特徴です。すでに治療をしている方はかかりつけ医の指導を受けながら、生活習慣の改善が必要です。

    慢性腎臓病(CKD)を予防しましょう

    定期的に健診を受け、尿や血液の検査をすることが早期発見につながります。自分自身の健康状態を確認するために、年に1回は健診を受けましょう。健診結果において、尿蛋白が(1+)以上の場合やeGFRが60未満の場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

    また、食生活の改善と運動で肥満を解消しましょう。すでに高血圧、糖尿病などで治療中の方は、かかりつけ医のもとで適切な治療を継続していくことが慢性腎臓病(CKD)の予防につながります。

    腎臓からのSOSを見逃していませんか

    腎臓からのSOSを見逃していませんか (PDF形式:1005.11KB)

    関連サイト

    慢性腎臓病に関する知識・予防法・対処法などの詳しい内容は、NPO 法人 日本腎臓病協会のホームページ(慢性腎臓病(CKD)の普及・啓発)をご覧ください。