2022年09月29日

    高血圧について知ろう

    高血圧とは

     血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管の内側の壁を押すときの圧力のことをいます。

     血圧が高い状態が続く病気を高血圧症といい、血管に負担がかかり続けることで、徐々に血管の壁の柔軟性がなくなったり、内側の壁が狭くなったりする動脈硬化が進行し、血管の老化を早めます。

     医療機関での測定値は、収縮期血圧140mmHg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上で高血圧と診断されます。

    羽島市の現状

     ご存知ですか?羽島市は血圧の高い方が多い状況です。

     特定健康診査の結果、Ⅱ度高血圧以上(収縮期血圧160から179mmHgまたは拡張期血圧100から109mmHg)の方の割合が県内21市中ワースト2位となっています。(令和4年度国民健康保険 特定健診結果 法定報告より)

    高血圧を放置するのは危険

     血圧が高い状態でも自覚症状がないことがほとんどです。しかし、「サイレント・キラー」といわれるように、高血圧による動脈硬化は無症状でも少しずつ進行していきます。そして、ある日突然、命に危険が及ぶ合併症を引き起こします。

    高血圧による合併症


    •  脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)、認知症 
    • 心臓
       狭心症、心筋梗塞、心不全
    • 腎臓
       腎硬化症、腎不全
    • その他
       大動脈瘤、閉鎖性動脈硬化症、眼底出血

    血圧が高くなる原因

     血圧が高くなる原因は様々です。その多くが以下のような生活習慣に起因しています。

    • 過剰な塩分摂取
    • 肥満
    • 運動不足
    • 喫煙
    • 多量飲酒
    • 精神的ストレス

     そのため、高血圧の予防・改善には生活習慣の見直しが重要です。

    高血圧の予防・改善

    まずは定期的な血圧測定

     血圧は常に変動しており、また測定値には環境や気分による影響もあります。そのため、自分のふだんの血圧の状態を確認するには、毎日同じ時間帯に同じ環境で測定する必要があります。

     家庭では、医療機関で測定するときよりリラックスした状態で測定できるため、診断基準が異なります。家庭血圧が、収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上で高血圧と診断されます。

    食事

    減塩

     料理に何となく塩やしょうゆをかけていませんか?麺類を食べるときスープまで飲み干していませんか?1日の塩分の約7割は調味料からの摂取です。

     血圧は、歳を取ってから急に上がるものではありません。早い時期から塩分の摂取を少なくすることで、加齢による血圧上昇を抑え、高血圧を予防することができます。

    • 調味料は「かける」のではなく小皿にとり少量を「つける」
    • 麺類や煮物の汁は飲まない
    • 味噌汁や漬物は1日1回までにする
    • 減塩調味料や減塩食品を使う
    • 味付けには、だし、酢や柑橘類の酸味、香味野菜やハーブ、香辛料を活用する
    • 塩分を多く摂りがちな外食、加工食品、インスタント食品、レトルト食品を控える

    野菜・果物・海藻類の摂取

     野菜や果物、海藻などに含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウム(食塩の主成分)の排出を促す働きがあります。そのため、カリウムを摂取することは、塩分の摂りすぎが原因となる高血圧の予防に役立ちます。

     カリウムの含有量が多い食品として、ほうれん草、かぼちゃ、バナナ、ひじきなどがあります。カリウムは水に溶けやすい性質があるため、生で食べられるものは加熱せず生で、調理する場合は電子レンジ加熱すると効率的に摂取することができます。

     果物は生で食べられるため、カリウム摂取にはお勧めですが、糖分が多く含まれ、食べ過ぎると肥満や中性脂肪、血糖値の上昇につながります。果物は1日1回を目安に食べるようにしましょう。

    運動

      運動習慣を身につけると、血圧を上げる働きがあるホルモンが減少し、血圧を下げる効果のある物質が増加します。また、運動を継続することで筋肉量が増え、基礎代謝が上がるため、高血圧の原因となる肥満解消にも大きな効果を発揮します。

     高血圧の予防・改善には、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動が効果的です。週3日以上、細切れでも良いので1日に合計30分程度の運動をお勧めします。

     運動の時間をつくることが難しい場合は、エレベーターを使わず階段で移動する、少しは遠い店まで歩いて買い物に行く、自宅でエアロバイクをこぐなど、日常生活の中でできる運動を見つけて取り組みましょう。

    節酒

     習慣的に飲酒量が増えると、血圧は上昇する傾向があります。また、おつまみによる塩分の摂り過ぎで、血圧悪化を招く可能性があります。

      1回の飲酒量を減らす(男性は1合、女性は0.5合を目安)、週に2回は休肝日をつくるなど、節度を守ってお酒を楽しみましょう。

    禁煙

     タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ血圧を上昇させます。血管へのダメージが蓄積すると動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞などの疾患の発症リスクが増大します。

     高血圧をはじめ、様々な病気を予防するために禁煙することは大切です。ストレス解消のために喫煙している方は、他の気分転換の方法を見つけましょう。

     自分で禁煙することが難しい方は、医療機関の禁煙外来に相談してみましょう。

    正しく測ろう!長く続けよう!家庭血圧(チラシ)

    正しく測ろう!長く続けよう!家庭血圧(PDF形式:1.49MB)