2023年08月28日
家庭系ごみ有料化の効果
可燃ごみの削減効果(年間で処理量10.4%、処理費用約4000万円を削減)
羽島市では、令和3年10月から家庭系ごみの有料化を開始しています。可燃ごみの処理量を有料化の前後で比較したところ、ごみ処理量で毎月約93トン、費用にして毎月約300万円の削減が実現しました。令和2年度と令和4年度の処理量の推移は、下のグラフのとおりです。
有料化を開始して2年目を迎えていますが、処理量が以前の水準に戻ることもなく、年間10%を超える削減率となっています。
不燃ごみの削減効果(年間で処理量65.4%、処理費用約3900万円を削減)
家庭系不燃ごみ及び事業系不燃ごみの処理量の合計を令和2年度と4年度で比較したところ、年間で65.4%の削減率となりました。金額については、金属性粗大ごみは約1200万円、破砕残渣は約1900万円、可燃性粗大ごみは約810万円の削減が実現しました。令和2年度と令和4年度の処理量の推移は、下のグラフのとおりです。
家庭系ごみ有料化の目的
「家庭系ごみ有料化」とは、ごみの排出量に応じて処理費用の一部を手数料として市民に負担していただくものです。
有料化の目的
- ごみの減量と資源化の推進
これまで税金のみで賄われていたごみ処理費用の一部をごみ排出者が直接負担することで、経済的動機付けが働きます。ごみの減量や分別の必要性を多くの人が意識することで、ごみの減量や資源化を推進することができます。
- 負担の公平性の確保
ごみ排出者が、ごみ排出量に応じて処理費用を負担することで、「ごみを減らせば負担が軽減される」ことを実感できるようになります。多くごみを出す人の負担は大きく、減量に向けて努力した人の負担は小さくなり、負担の公平性を確保することができます。
- ごみ処理費用の削減
ごみ排出量が減少することで、ごみ処理費用が削減でき、他の市民サービスの拡充にもつながります。また、羽島市は岐阜市、岐南町及び笠松町とともに構成する岐阜羽島衛生施設組合に加入しています。組合が新たに建設する次期ごみ処理施設の建設費及び運営費は、構成市町ごとのごみ排出量に応じて負担することになっているため、羽島市の負担金を削減することができます。
指定ごみ袋
指定ごみ袋の種類
市の指定袋は、可燃ごみ袋、不燃ごみ袋、ビン、カン、ペットボトル用の5種類の袋です。指定ごみ袋の色や表示は以下のとおりです。
羽島市では、以前から先進的な取り組みとして5種類の指定ごみ袋を作成しています。市民の皆様にごみの分別をお願いすることで、ごみの減量とリサイクルの推進に取り組んできました。
分別して収集されたビン、カン、ペットボトルはそれぞれ引き取り業者へ引き渡され、洗浄、乾燥した後、細かく破砕、溶解されて、新しいビンやカン、ペットボトルとなります。その他、アルミがらは車の部品、容器包装プラスチックは容器包装リサイクル協会を通じてリサイクルされ、再生樹脂等に再商品化されています。
ごみの出し方
市環境審議会からは、「5種類の指定ごみ袋があることで、指定ごみ袋制を取っていない自治体と比べてごみの分別が進んでおり、市民のリサイクル意識が高い」とご意見をいただいています。
手数料の基準
市では、手数料額の設定にあたり次の3点を考慮しました。
- ごみ減量の効果が得られる金額であること
- 市民の受容性を配慮した金額であること
- 近隣自治体等の手数料水準を考慮した金額であること
可燃ごみ
袋の大きさ |
大(45ℓ相当) |
中(30ℓ相当) |
小(15ℓ相当) |
1枚当たりの
手数料 |
36円/枚 |
24円/枚 |
12円/枚 |
1枚当たりの
袋の販売価格 |
袋の代金+
手数料36円 |
袋の代金+
手数料24円 |
袋の代金+
手数料12円 |
不燃ごみ
袋の大きさ |
大(45ℓ相当) |
小(20ℓ相当) |
1枚当たりの
手数料 |
180円/枚 |
80円/枚 |
1枚当たりの
袋の販売価格 |
袋の代金+
手数料180円 |
袋の代金+
手数料80円 |
販売価格
市の可燃ごみ袋、不燃ごみ袋は、市の許可を受けた民間業者が製造し、「ごみ袋本体の価格」に「袋の容量に応じた処理手数料」を上乗せした価格で販売されています。
この方式を採用することで、「ごみ袋本体の価格」が変動しても、市民の皆様が納める「処理手数料」は、条例改正を行わない限りは同額となるため、いつごみ袋を購入されても、負担の公平性は確保できると考えています。
なお、「ごみ袋本体の価格」は取扱店舗が決定するため、各取扱店舗を比較すると販売価格に差が出ますが、「処理手数料」は同額です。「ごみ袋本体の価格」の引き下げに関する指導を行うことは、独占禁止法との関係において問題を生じさせるおそれがあります。
規格・容量・素材
指定ごみ袋の規格は、羽島市指定ごみ袋の許可等に関する規則で定めています。新しい指定ごみ袋は、市民の皆さまのニーズを考慮し、可燃ごみ袋は大中小の3種類、不燃ごみ袋は2種類としました。また、旧ごみ袋には持ち手がありませんでしたが、新しいごみ袋は結びやすく、運びやすい取手付きの袋としました。
容量については、例えば45リットルの新しい可燃ごみ袋と旧ごみ袋の「ごみを入れられる縦の長さ」を比べるとほぼ同じ長さになります。また、新しいごみ袋は旧ごみ袋と同様に45リットルの容量を確保しています。
また、新しい可燃ごみ袋の素材は、これまでの低密度ポリエチレンから多くの自治体のごみ袋で採用される高密度ポリエチレンに変更しました。高密度ポリエチレンは引っ張り強度が強いため、ごみ袋の厚さを薄くすることができ、ごみ袋自体の価格の上昇を抑えることができます。
環境に与える影響
なぜ分別が必要なのか
資源ごみを分別せずにごみとして出すと、リサイクルできたはずの資源まで有効活用されないまま燃やされたり、埋められたりしてしまいます。天然資源には限りがあるため、リサイクルできるものはリサイクルしていくことが、地球にやさしい取り組みとなります。分別の必要性として、リサイクルも含めて主なものとして、次の4つが挙げられます。
- 地球温暖化の防止
ごみ処理施設などから排出される温室効果ガスは、地球温暖化に少なからず影響を与えています。
- ごみ処理施設の延命化
焼却施設では、たくさんごみを燃やせば定期交換部品を早く交換しなければならなくなり、焼却炉等の更新期間も短くなります。施設の延命化を図れば、焼却炉の建て替えや改修工事などの財政的負担の軽減につながります。
- 処理コストの削減
ごみ処理には多額の費用がかかります。ごみが減れば処理費用も減ります。
- 天然資源枯渇の防止
あらゆる製品の原料は、天然資源です。石油・ガスや木なども天然資源であり、それを加工するために更に多くの天然資源を使っています。
具体的な取り組み
市では、食品ロスを出さないためにも「もったいない」を意識し、食品ロスの削減だけではなく生ごみの減量も目指し「使いきり」「食べきり」「水きり」の「3きり運動」取り組みを進めています。
食品ロス削減の取り組み
その他にも、民間事業者と協定を締結し、コンタクトレンズの空ケースの回収や使用済み小型家電の品目拡充、小学校や自治会で出前講座を実施して、ごみ分別の意識を高める活動を行っています。