2023年04月01日
利用権設定の概要
個人や法人の方が、農地を貸借する場合には、農業委員会等の許可を受ける方法(農地法)と、市町村が定める「農用地利用集積計画」により権利を設定・移転する「利用権設定」(農業経営基盤強化促進法)と、農地中間管理事業を活用する方法(農地中間管理機構の推進に関する法律)の3種類があります。
このページでは、市町村が定める「農用地利用集積計画」による「利用権設定」についてご案内します。
「利用権設定」とは、貸し手と借り手とが決めた期間が満了すると賃貸借関係は終了し、必ず返してもらえるという制度です。また、期間満了後も更新手続きをすることで貸借関係を継続することもできます。
利用権設定による貸し借りのメリット
- 農地法にかかる許可は不要です。
- 利用権設定の期間満了により、自動的に農地が返還されるため、安心して貸すことができます。
利用権設定の対象とする農地
- 市街化調整区域内の農地であること。
- 相続税・贈与税の納税猶予の適用を受けていないこと。
- 農業者年金を受給するために経営移譲した(受けた)農地でないこと。
- 賃借権等が設定されていないこと。
(補足)上記2から4に該当する場合でも、所定の手続きを行うことで利用権設定が可能になる場合もあります。事前に農業委員会事務局にご相談ください。
手続きの流れ
- 貸し手と借り手の合意により、利用権設定申請書及び、新規利用権設定者経営状況調書(以前に提出された借り手の方は、変更がなければ提出不要。)を作成し、毎月10日まで(ただし、10日が閉庁日の場合はそれ以前の開庁日まで)に、市(産業振興部農政課)へ提出する。
- 申し出を取りまとめ、市が農用地利用集積計画を作成する。
- 1の翌月の農業委員会で審議を行い決定する。
- 3の翌月の1日(休日の場合は前日)に市長が農用地利用集積計画を公告をすることにより効力が発生する。
- 貸し手と借り手の両者に、利用権設定の明細書を送付する。
留意事項
相続未登記等により、共有地に利用権を設定する場合は、「数人の共有に係る土地について利用権(その存続期間が20年を超えないものに限る。)の設定又は移転をする場合における当該土地について所有権を有する者の同意については、当該土地について2分の1を超える共有持分を有する者の同意が得られていれば足りる。」(農業経営基盤強化促進法第18条第3項第4号より引用)と条文にあることから、相続関係が判る戸籍謄本及び条文に記載されている者の同意書への署名及び捺印と印鑑証明書の添付が必要になります。