2023年05月29日

    公有地の拡大の推進に関する法律

     住みよい街づくりのためには、道路・公園・下水道・学校などの公共施設を計画的に整備する必要があります。

     地方公共団体等がこれらの公共目的のために必要な土地を少しでも取得しやすくするための1つの手法として制度化されたのが、「公有地の拡大の推進に関する法律」(以下「公拡法」といいます。)による土地の先買い制度であります。

    制度の内容(届出・申出)

    届出(公拡法第4条)

     次に掲げる一定規模以上の土地を有償で譲渡(売買や交換など)しようとするときは、譲渡しようとする日(契約予定日)の3週間前までに市長に届け出る必要があります。 

    1. 都市計画施設の区域内に所在する200平方メートル以上の土地
    2. 市街化区域内に所在する5,000平方メートル以上の土地
    3. 都市計画区域内に所在する次に掲げる200平方メートル以上の土地
      • 道路法により道路の区域として決定された区域内に所在する土地
      • 都市公園法により都市公園を設置すべき区域として決定された区域内に所在する土地
      • 河川法により河川予定地として指定された土地

    申出(公拡法第5条)

     次に掲げる一定規模以上の土地について、地方公共団体等による買取りを希望するときは、市長にその旨を申し出ることができます。

    1. 都市計画区域内に所在する100平方メートル以上の土地

    買取協議

     届出又は申出のあった土地について、届出又は申出のあった日から3週間以内に、買取協議を行うか否かを決定し、お知らせします。

     買取協議を拒否することはできませんが、協議の結果、契約するか否かは土地所有者の任意に委ねられています。

    税法上の優遇措置

     買取協議の結果、売買契約が成立しますと、税法上の優遇措置を受けることができます。(譲渡所得の特別控除1,500万円)

    届出が不要となる主なケース

    • 国や地方公共団体等に譲り渡すものであるとき
    • 都市計画法の開発許可を受けた開発行為に係る開発区域内の土地
    • 法人の合併・分割等に伴い土地の所有権が移転する場合
    • 相続、贈与、寄附など(有償ではないため)
    • 抵当権の担保権設定や賃借権等の利用権設定など(譲渡ではないため)
    • 農地法第3条第1項の許可を受けることを要する農地の譲渡
    • 共有名義の土地で個々の持分のみを譲渡する場合(共有者全員が譲渡する場合のみ届出が必要)
    • 一度届出をし、市からの通知があった日から1年以内の譲渡(1年を超えると再度届出が必要)
    • 届出をしてから、買主や金額に変更が発生した場合(再度届出する必要はありません)

    必要書類

    届出(公拡法第4条)

    次に掲げる書類を1部提出してください。

    1. 有償譲渡届出書 
    2. 位置がわかる図面(概ね2500分の1程度の図面で方位・縮尺が入っているもの)
    3. 周辺の状況がわかる図面(概ね500分の1程度の図面で土地の形状がわかるもの、住宅地図など)
    4. 公図
    5. 土地の登記事項証明書(法人の場合は商業登記簿謄本も必要)
    6. 実測図(実測で譲渡する場合)

    申出(公拡法第5条)

    次に掲げる書類を1部提出してください。

    1. 土地買取希望申出書
    2. 位置がわかる図面(概ね2500分の1程度の図面で方位・縮尺が入っているもの)
    3. 周辺の状況がわかる図面(概ね500分の1程度の図面で土地の形状がわかるもの、住宅地図など)
    4. 公図
    5. 土地の登記事項証明書(法人の場合は商業登記簿謄本も必要)
    6. 実測図(実測で買取りを希望する場合)

    譲渡の制限期間

     届出・申出をした土地については、次の各号に該当するまでの間は、譲渡することができません。

    1. 買取らない旨の通知があるまで(届出・申出の日から起算して最長3週間)
    2. 買取り協議を行う旨の通知があった場合は、通知のあった日から起算して3週間まで

    罰則

     届出をしないで土地を譲渡したり、虚偽の届出などを行った場合は、50万円以下の過料に処せられることがあります。(公拡法第32条)