2023年04月01日

    事業活動に伴って排出される廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下廃掃法)において、排出事業者責任が規定されています。
    しかし、建設廃棄物の不法投棄や、食品廃棄物の不正転売といった廃棄物の不適正処理事案が後を絶ちません。
    このような状況を踏まえ環境省より「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について」通知がありましたのでお知らせします。
    廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について(平成29年3月21日 環廃対発第170322号、環廃産発173211号 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長、産業廃棄物課長通知)

    通知の概要

    排出事業者責任とその重要性について

    廃掃法第3条では以下のような排出事業者責任を定めており、その責任は廃棄物の処理を他人に委託すれば終了するというものではありません。

    1. 事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない
    2. .当該廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めなければならない

    排出事業者はその廃棄物を自ら処理をするか、自ら処理を行わず他人に委託する場合には、産業廃棄物であれば産業廃棄物処理業者等、一般廃棄物であれば一般廃棄物処理業者等、廃掃法において他社の廃棄物を適正に処理することができると認められている者に委託しなければならないなど、廃掃法における排出事業者責任に関する各規定の遵守について改めて認識する必要があります。

    排出事業者と処理業者との間の委託契約について

    処理委託の根幹的内容(委託する廃棄物の種類・数量、委託者が受託者に支払う料金、委託契約の有効期間等)の決定を第三者に委ねた場合、排出事業者責任の重要性に対する認識や排出事業者と処理業者との直接の関係性が希薄になるのみならず、あっせん等を行った第三者に対する仲介料等が発生し、処理業者に適正な処理費用が支払われなくなるといった状況が生じ、委託基準違反や処理基準違反、ひいては不法投棄等の不適正処理につながるおそれがあります。

    このように、廃棄物処理における排出事業者の責任は極めて重く、排出事業者が廃棄物の処理を他人に委託する場合は、排出事業者としての責任を果たすため、委託する処理業者を自らの責任で決定すべきものであり、また、処理委託の根幹的内容は排出事業者と処理業者の間で決定するものであることを認識する必要があります。