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愛 City はしま(市長のコラム)第84回

[2021年8月1日]

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 コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、政府は、緊急時における国と自治体の課題解決を図る地方制度調査会で議論を始めることとしました。先に定められた骨太の方針では、緊急時での病床活用や医療人材の確保等がすばやく行われるよう求めています。

 コロナ感染症による、我が国の人口100万人当たりの死亡者数(6月末時点)は、116人です。イギリス1891人、アメリカ1826人、フランス1704人、ロシア911人、カナダ696人等に比べると、低いレベルにあるといえます。

 日本の15倍に近い累計死者数のフランスでは、次のような措置をとりました。

  1. コロナ感染症拡大を受け、2004年に制定した緊急事態医療体制の法律に基づき、全国の病院に対して緊急性のない計画手術の中止または延期。できる限りの入院患者への早期退院の勧奨を行った。
  2. 全ての病院の手術室、集中治療室(ICU)を空け、一般病床にも人工呼吸器等の器材を導入。集中治療のできる病床を増やした。
  3. 手術の中止・延期により余剰となった外科医、麻酔医、看護師等を、スタッフ不足の他病院に派遣した。 
  4. 医学生や看護学生も、介助補助や緊急電話対応に従事させた。

 以上の迅速な対応により、第1波感染時には、我が国よりも多数の死亡者を出しましたが、医療崩壊には至りませんでした。

 日本の平時における医療水準は、世界最高レベルにあります。しかし、今回のコロナ禍においては、東京や大阪のような医療整備の進んだ都市においても、人口100万人当たりの対応能力は、累計死亡者500人以下が限界でした。

 その要因は、我が国の感染症を含む大災害時の医療提供体制の仕組みが、整っていないことにあります。冒頭で記した地方制度調査会では、保健所のあり方と、医療危機下における国と自治体の役割分担が議論される予定です。

 保健所については、現在、設置主体が都道府県、政令市、中核市等ばらばらで、情報伝達や専門人材の弾力的な融通に支障を来しています。感染症対策を一元化し、適時適切な対応を図るには、分散している権限を都道府県に戻すことが肝要です。

 コロナ禍における医療提供体制の見直しでは、被災状況に応じた医療スタッフや病床を的確にコントロールする「非常時医療供給システム」の構築が必要です。その調整機関には、国・自治体・保健所等が参画。あらかじめ平時に、病院や医療スタッフとの非常時応援協定を締結。発災時には、刻々と変化する現場の状況に応じ、適切な指示ができる体制整備の促進が求められます。

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