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愛 City はしま(市長のコラム)第82回

[2021年6月1日]

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 民間機関の調べでは、登記上の所有者が確認できない土地が、九州本島よりも広いといわれています。所有者の分からない土地の多くは、年月が経過すればするほど、元の所有者にたどり着くのが困難となります。

 国や地方自治体が、道路・水路等の整備を行おうとした時、所有者不明の土地があると確認作業に時間を要し、工事が遅れる場合があります。国は2018年、特別措置法を制定。都道府県知事の判断で、所有者不明土地を公共事業に活用できる改正を行いました。

 その制度に加え、今年4月の国会において、所有者不明の土地問題対応の関連法案が成立。土地や建物の相続を知ってから、3年以内の登記が義務付けられました。

 改正のポイントは、土地の相続登記の義務化と、相続した土地を放棄できる制度の設定です。人口減少に伴う過疎化の進行により、管理の行き届かない土地の増加が懸念されます。荒廃した土地は、公害の原因となったり災害の拡大要因ともなりかねません。

 今般の関連法整備のねらいは、所有者不明土地を活用するための市場流通にあります。裁判所の判断で、所有不明土地の用途変更や売却が可能となりました。管理放棄された荒廃した土地は、裁判所の許可を得れば売却できます。共有地に関しても、裁判所の定めに基づき、所在不明の共有者を除外。共有地に宅地造成等が可能となります。その際、所在の分からない共有者の持ち分については、相当分の金銭を供託し、取得・売却できる仕組みとなります。

 利用価値が乏しく、相続したくない土地については、成立した相続土地国庫帰属法により、手放したい土地を国に納める制度も創設。23年度をめどに導入されます。同制度では、地方法務局の審査を経て、10年分の管理相当額の納付が求められます。

 この制度は所要の条件も厳しく、所有権放棄を容易にさせない仕組みとなっています。しかし、法定相続分の共有名義で登記が行われ、管理意識の低い状態で所有権が分散するおそれが残ることが懸念されます。

 今後、さらに進むであろう人口減少の中、土地所有や権利関係を円滑に整理できる仕組み作りの増強が、引き続き求められると思います。


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