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愛 City はしま(市長のコラム)第75回

[2020年8月1日]

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 ふるさと納税を争点とした、大阪府泉佐野市と総務省の裁判は、6月30日決着。泉佐野市の逆転勝訴となりました。

 判決までの経緯は、2019年3月、改正地方税法が成立。同年4月、総務省が「2018年11月以降、趣旨に反する方法で多額の寄付を集めた自治体は除外する」とした告示を行いました。同年5月には、泉佐野市を含めた4自治体を、ふるさと納税対象自治体から除外。同年6月、除外措置を不服とする泉佐野市が、国地方係争処理委員会に審査を申し立て、訴訟にまで至ったものです。

 裁判の争点は「返礼品は寄付額の3割以下とし、地場産品に限る」とした基準を設け、自治体を指定する新制度導入以前の泉佐野市の取り扱いを理由にした、除外決定の妥当性でした。30日の最高裁判決では、同省が法律規制前の市の行為を、除外判断材料にしたことに対し、違法と認定。法律規制前の同省の自粛通知は、助言の範囲であるとし、通知に従わなかったことを理由とした「不利益処分」は、地方自治法に抵触する可能性があると言及しました。

 今回の判決は、法律上は納得できます。しかし、2018年度に全国の1割弱にあたる497億円を集めた、泉佐野市の運用には違和感があります。同市は、高価な肉類やビール等、豪華な返礼品で多額な寄付を募りました。総務省からの再三の自粛通知も無視。同省との対立は深刻化し、当時の総務大臣が「身勝手な行為」と名指しで非難する事態に陥りました。

 2008年から始まった、ふるさと納税制度。当初から返礼品競争への懸念がある中、羽島市をはじめ大半の市町村は、国の指導に基づき運用をしてきました。当市でもピーク時には、私が市長就任時から80倍を超える納税額を集めるまでに至りました。当市と同様、国の通知に従ってきた自治体からは「通知を無視しても制度に参加できるという判決。ルールを守ってきた自治体からすれば、不公平感がある」との意見が出ています。

 判決でも、泉佐野市の行為は「社会通念上の節度を欠いていた」「市の勝訴に居心地が悪い」という補足意見も付けられました。

 法律上はOKだからという発想は、芳しくないと思います。自治体経営には、なにより倫理が必要ですから。

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